カーボンオフセット
ざっくり言うと
「ごめん、CO2出しちゃった! 代わりにお金払って森守るからチャラにして!」みたいな仕組みのことです
ちゃんと説明すると
企業が活動すると、どうしてもCO2が出ますよね。 工場でモノを作ったり、トラックで運んだり。 もちろん、省エネ設備を入れたり電気自動車に変えたりして、CO2を減らす努力は全力でやります。
でも、今の技術じゃどうしてもゼロにできない部分ってあります(飛行機の燃料とか、鉄を作る工程とか)。 そこで登場するのが「カーボンオフセット」です。
これは、自分のところじゃどうしても減らせない分を、「他の場所でCO2を減らした人(植林した人や再エネを入れた人)」から「削減した権利(クレジット)」を買ってくることで、「うん、これでプラマイゼロ!」と見なす仕組みのことです。
「オフセット(offset)」には「相殺する」「埋め合わせる」という意味があります。 つまり、出したゴミを自分で処理しきれないから、お金を払って業者に処理してもらう(あるいは他人のゴミ拾い活動にお金を出す)のと似ています。
なぜ批判されることがあるの?
この仕組み、一見便利なんですが、やり方を間違えると「グリーンウォッシュ(うわべだけの環境配慮)」だと言われてしまうリスクがあります。
なぜか? ダイエットで例えてみましょう。
あなたは「痩せる(CO2を減らす)」という目標を立てました。 でも、ついついケーキを食べちゃいました(CO2排出)。 本来なら、自分で走ってカロリー消費すべきですよね(自社での削減努力)。
でもカーボンオフセットを悪用すると、こうなります。 「ケーキ食べちゃったけど、隣のマッチョにお金払って私の代わりに走ってもらったから、私が食べたケーキのカロリーはゼロ!」
……いやいや、それじゃお前は痩せないだろ、と。 これが「お前、自分で減らす努力もしないで金で解決かよ」と批判される理由です。
なので、今のルールでは「まずは自分で死ぬ気で減らす。それでもどうしても残った最後の一滴だけをオフセットする」というのが鉄則になっています。
これからのオフセットはどうなる?
ここからは少し専門的な、「2025年以降のサステナビリティ担当者」が知っておくべき話です。
1. 「回避」から「除去(Removal)」へ
これまでのオフセットは「森林保護(木を切らないことでCO2排出を回避する)」が主流でした。でもこれからは「除去(Removal)」じゃなきゃダメ、という流れが来ています。 「これ以上汚さない」ではなく、「大気中からCO2を直接吸い取って固定する(植林やDACなどの新技術)」タイプです。 SBT(Science Based Targets)という厳しい国際基準でも、将来的にネットゼロを名乗るなら、最終的な埋め合わせは「除去」に限るとされています。
2. 2035年問題と「責任」の明確化
SBTのネットゼロ基準(V2)では、2035年以降を目処に「企業は自分の出し続けているCO2に対して、ちゃんと責任を取りなさい」という圧力が強まると見られています。 つまり、「オフセットして削減したことにする(計算上の操作)」はもう通用しません。 「排出は排出として記録に残る。それとは別に、除去量(掃除した量)を報告する」という厳しいルール(炭素会計上の枠外報告)がスタンダードになっています。
3. 「オフセット」需要は消える?
「削減の代わり」としてのオフセット需要は減るでしょう。 その代わり、「BVCM(バリューチェーンを超えた緩和)」や「継続排出責任」という考え方が広がっています。 これは「オフセット(相殺)」という言葉を使わず、「うちはこれだけ社会全体の脱炭素に貢献(寄付・投資)しました」とアピールするスタイルです。
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