バリューチェーンを超えた緩和

  • 自社の排出削減(SBT)とは「別腹」で行う環境貢献
  • SBT目標の達成にはカウントできない(今のところ)
  • SBTi新基準(V2)で「排出への責任」として重要性が爆上がりする予定

ざっくり言うと

「自分の部屋(自社)を掃除するのは当たり前として、まだ汚してる分の『お詫び』として、近所のゴミ拾い(社外貢献)にもお金出そうよ」という活動のことです。

ちゃんと説明すると

「バリューチェーンを超えた緩和(BVCM)」は、企業が自分たちの商売の範囲外(バリューチェーンの外)で行う、CO2を減らしたり吸収したりする活動への投資のことです。

大事なのが「自社の削減目標(SBT)の代わりにはならない」という点です。

例えば、あるメーカーさんが「今年は工場でCO2いっぱい出しちゃったから、海外の森林保護にお金出して(クレジット買って)チャラにしよう!」と考えたとします。 SBTなどの厳格なルールでは「それはそれ、これはこれ」と言われます。

「工場の削減は絶対やってね(自社努力)。でも、地球温暖化は待ったなしだから、それとは別腹で、余裕があるなら外の環境活動にもお金出してね(BVCM)」 という、いわば「2階建て」の構造になっているんです。

なんでそんな厳しいこと言うの?

ダイエットに例えると分かりやすいです。

  • 自社の削減SBT): 自分が食事制限や運動をして痩せること。

  • BVCMダイエット仲間がジム通う費用を出してあげること。

他の人のダイエットにお金を出してあげるのは素晴らしい行為(社会貢献)ですよね。でも、いくらお金を出してても、あなた自身の体重は1キロも減りません。 SBTiは「他社貢献は尊いから絶対やるべき。でも、それで自分が痩せた気になるなよ?」と言っているわけです。

今後の展開(SBT V2の話)

さて、ここからが少し専門的な最新トレンドです。 SBTiの新しいルール(企業ネットゼロ基準 V2.0)では、このBVCMの考え方が少し変わりそうです。 これまでは「余裕があればやってね(推奨)」というニュアンスでしたが、これからは「継続的排出への責任(Counterbalancing)」という重い意味合いが強まります。

どういうことかというと、ネットゼロ(2050年とか)を達成するまでの間も、企業は毎年CO2を出し続けますよね。 「まだ途中だから仕方ない」と開き直るのではなく、「移行期間中に出してしまっているCO2についても、責任を持って穴埋め(資金拠出)すべき」という考え方です。

つまり、「痩せる努力をしてるのは認めるけど、まだ太ってて座席を2人分占領してるんだから、ご近所への迷惑料として2人分の料金(BVCM)払おうか」という話になりつつあるのです。

まとめ: BVCMは、自社の削減とは「別腹」で行う地球への貢献活動。今後は「削減努力中の『迷惑料』」として、企業が果たすべき責任のスタンダードになっていきそうです。

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