中和

  • 自力で90%以上減らした後の「最後の手段」
  • 「よその削減」は不可。「大気から除去」のみOK
  • これができて初めて「ネットゼロ」と名乗れる

ざっくり言うと

限界までダイエットして、どうしても落ちない最後の贅肉を「脂肪吸引」で物理的に消すことです。

ちゃんと説明すると

サステナビリティ界隈で「中和」と言うと、だいたいSBT(Science Based Targets)という国際的な目標基準における「最後の仕上げ」の話を指します。

企業が「2050年までにネットゼロ(実質ゼロ)にします!」と宣言するとき、実は「排出を完全にゼロにする」ことは求めていません。飛行機も飛べば工場も動くわけで、物理的にゼロにするのは無理だからです。

SBTのルールでは、「まずは自力で限界まで(だいたい90%以上)減らしなさい」と言われます。これを削減といいます。 そして、どんなに頑張っても技術的に消しきれずに残ってしまう最後の数%(残余排出量といいます)については、「大気中からCO2を吸い取って固定する技術」を使って帳尻を合わせてもいいよ、としています。

この「最後の数%を吸い取ってチャラにする行為」が中和です。

よくある勘違い:「オフセット」とは何が違う?

カーボンオフセット」と「中和」は、使えるカードの種類が違います。

  • 従来のオフセット(埋め合わせ)
    「うちの工場でCO2出しちゃったけど、途上国の森林を守る活動にお金出したから(=森林減少を回避したから)、チャラってことで!」 → これはSBTのネットゼロにおける「中和」には使えません

  • SBTのいう中和
    「うちの工場でどうしてもCO2が出ちゃうから、その分、植林して木に吸わせたり、巨大な掃除機(DACなどの新技術)で大気から直接CO2を回収・貯留(除去)しました!」 → こっちしか認められません。

つまり、「誰かが出すのを止める手伝い(回避)」ではダメで、「すでにあるCO2を物理的に減らす(除去)」じゃないと、SBTのネットゼロでは「中和」と認めてもらえないのです。かなり厳しいです。

まとめ: 中和は、自力での削減をやりきった者だけが使える最後の切り札です。「減らすのが面倒だからお金で解決」するための免罪符ではありません。

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