残余排出量

  • 自分たちで減らせるだけ減らしたあとに、どうしても残ってしまうCO2のこと
  • 技術的にゼロにするのが今の時点では無理な排出
  • 残余排出量まで減らせて初めて「カーボンクレジット(除去系)」の出番になる

ざっくり言うと

死ぬ気でダイエットしても落とせない皮下脂肪のような排出量のこと

ちゃんと説明すると

企業の「ネットゼロ(実質ゼロ)」という目標において、非常に重要なキーワードです。

企業が脱炭素を目指すとき、まずは省エネしたり、再エネを買ったりしてCO2を減らしますよね。これを「削減」といいます。 でも、どんなに頑張っても、今の科学技術や産業の構造上、どうしてもゼロにできない部分が出てきます。

たとえば、飛行機はまだ電気だけで飛ぶのは難しいのでジェット燃料が必要ですし、セメントを作るときには化学反応でどうしてもCO2が出ます。 このように、「やるべきことは全部やって、限界まで絞り出したけど、それでも残ってしまった排出」のことを残余排出量といいます。

どのくらい残るの?

国際的な基準(SBTiなど)では、全体の排出量の90%以上を削減して、残りを10%以下に抑えることが求められています。つまり、残余排出量は全体の1割程度まで小さくしないといけないわけです。

最後の頑固な皮下脂肪の話

イメージしやすいように、ダイエットに例えてみましょう。

  1. 削減(Reduction)
    毎日のきつい食事制限と激しい運動で、必死に体重を落とします。これが企業の「自助努力による削減」です。大半の脂肪は、この涙ぐましい努力で落ちますよね。

  2. 残余排出量(Residual Emissions)
    でも、目標体重まであと少しというところで、お腹周りの最後の頑固な皮下脂肪だけが、どうしても落ちません。これが「残余排出量」です。

  3. 中和(Neutralization)
    この最後の脂肪をどうにかするには、もう普通の努力では無理で、特別な医療痩身(たとえば脂肪吸引など)に頼る必要があります。これが「炭素除去(カーボンリムーバル)」による埋め合わせです。

大事なのは、「まだ暴飲暴食してるだらしない体を見て『これは残余排出量です』と言ってはいけない」ということです。それでは単なる努力不足と言われてしまいます。死ぬ気で絞って、どうしても残った最後の最後だけが、この言葉で呼ばれる資格を持つのです。

まとめ: 残余排出量は、限界までCO2削減を頑張ったあとに残る「最後の頑固な皮下脂肪」。ここだけは、大気からCO2を吸い取る技術(除去)を使って帳尻を合わせることが許されています。

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