SBT
ざっくり言うと
「地球温暖化を止めるために、科学的に計算したらあなたの会社はこれくらい減らさないとダメです」という、ちゃんとした根拠に基づいたCO2削減目標のことです。
ちゃんと説明すると
SBT(Science Based Targets)は、企業が設定する温室効果ガス削減目標の一種ですが、ただの目標ではありません。
これまでの目標は、どちらかというと自社のさじ加減で決められていました。 「省エネ設備を入れるから、今年はこれくらい減るかな」とか「去年より1%減らせたら御の字だよね」といった、積み上げ式の目標が多かったんです。日本の省エネ法のように、毎年1%の省エネというような目標の立て方もありますが、これらを含め環境対応の目標の立て方は積み上げ方式です。
でもSBTは違います。
パリ協定で決まった「世界の気温上昇を産業革命前より1.5℃に抑える」という地球全体のゴールから逆算して、「じゃあ、あなたの業界のあなたの規模の会社は、何年までに何%減らさないと計算が合わないよね?」と数字が割り出されます。企業は、その割り出された数字をトップダウン式に追いかけることになります。
お医者さんの診断に例えると
健康診断の結果が悪くて、ダイエットをするお父さんを想像してください。
これまでの目標(自社都合) 「最近太ってきたし、とりあえず毎日ビールを1本減らして、なんとなくウォーキングしてみるよ。まあ、無理しない程度にね」 → これだと、結局あまり痩せなくて病気になるリスクは残ります。
SBT(科学的根拠) 医師「検査結果を見ました。あなたの肝臓の数値と余命を科学的に分析した結果、今から3年以内に体重を15キロ落とさないと死にます。 そのためには毎日1800kcal以下に抑えて、週3回5キロ走りなさい。これは絶対です」 → これがSBTです。「できるかな?」ではなく「生き残るために必要なライン」を突きつけられているわけです。
なんでみんなSBTを取るの?
「地球のため」というのはもちろん一番大事ですが、ビジネス的な理由もあります。
最近は、Appleやトヨタみたいな超大企業が「サプライヤー(部品を作ってくれる会社)も全員、脱炭素に取り組んでね」と言い出しています。その時、「うちは頑張ってます!」と口で言うだけでは信用してもらえません。
そこで「うちはSBT認定を取得してます!」と言うと、「お、科学的に正しいレベルでやってるんだな」と認めてもらえます。つまり、SBTは「脱炭素時代のビジネスの通行手形」みたいな役割を果たしているんですね。
認定を与えるのは「SBTイニシアティブ(SBTi)」という国際的な団体です。ここにお墨付きをもらうために、いま多くの日本企業が申請を出しています。
※本サイトの解説は「ざっくり分かること」を目的としています。専門的な正確性は保証できないため、正確な情報が必要な場合は専門機関の一次情報をご確認ください。
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